プシュウウウウゥゥゥゥーッ
ふむ………
素晴らしい数値だな。
?研究員A
「過去に最高値を弾き出した
"Quess_HE-[NZ333]"に並ぶか、
それ以上かもしれません。
"SniperWolf_HE-[MGS1]"も
高い数値を弾き出していますが、
そろそろ追い抜きそうですね」
?研究員B
「"StealthMO_HM-[TYK726]"は
特異型ですから比較に難いですが
この被験体も同様に
特異型である可能性も高いです。」
?研究員A
「特筆すべきは、
その鋭覚度…………
感性に特化されたそれは
あらゆる異常を敏感に察知し、
知識にない事柄にすら
その異質を認識できます。
今までに類を見ない型の
被験体といえますね。」
?研究員A
「それに伴い、
身体能力も極めて高く、
言うなればアサシン型……
とでも言いましょうか。」
比較精神研究班長ネビン
「アサシン型…………か」
洗脳研究班長レンシア
「あらあら。
だいぶ有望な
人形じゃないのー?」
洗脳研究班長レンシア
「ふふっ………
楽しみねぇ………」
比較精神研究班長ネビン
「……比較精神被験体。
聞こえているか?被験体。」
?被験体
「………………」
比較精神研究班長ネビン
「被験体ID:Jessica05_HM-[T8370]
聞こえているなら応答せよ。」
Jessica05_HM-[T8370]
「……聞こえてる。」
比較精神研究班長ネビン
「うむ、問題はないか」
比較精神研究班長ネビン
「調子はどうだ?」
Jessica05_HM-[T8370]
「問題ない」
比較精神研究班長ネビン
「そうか。頼もしい限りだな」
比較精神研究班長ネビン
「ま、この調子なら
あと1ヶ月か2ヶ月もすれば
外に出る事が出来るだろう。
君には期待している。」
Jessica05_HM-[T8370]
「そう」
比較精神研究班長ネビン
「……興味なさそうだな?」
Jessica05_HM-[T8370]
「どうでもいい」
比較精神研究班長ネビン
「………………」
洗脳研究班長レンシア
「この人形、
結構優秀だったわー
もうそろそろ
頭打ちってカンジだけどー」
比較精神研究班長ネビン
「そうだな………」
洗脳研究班長レンシア
「もーちょっと
遊び甲斐のある人形が
欲しかったのにー……」
比較精神研究班長ネビン
「………………」
比較精神研究班長ネビン
「……レンシア…………」
比較精神研究班長ネビン
「その人形と表現するのは
不愉快極まりない。
そろそろ
やめてくれないか………」
洗脳研究班長レンシア
「なにそれー!
うーけーるぅー!!
モノなんだから
人形でしょー!!」
比較精神研究班長ネビン
「………………」
比較精神研究班長ネビン
「君は過去に
最高値を弾き出した
"Quess_HE-[NZ333]"を
悠に超える能力を
ここに証明する事となった。
君のその成果は
人類の能力の限界を証明する
統計の大きな数値の一つとして
これからもこの研究所にて
長く語り継がれていく事だろう!
これはとても
誇らしいことだぞ!!!」
Jessica05_HM-[T8370]
「そう」
比較精神研究班長ネビン
「興味なさそうだな?」
Jessica05_HM-[T8370]
「どうでもいい」
比較精神研究班長ネビン
「ははっ!おまえらしいな」
Jessica05_HM-[T8370]
「それは何?」
比較精神研究班長ネビン
「!?」
比較精神研究班長ネビン
「珍しいな………
Jessica05_HM-[T8370]が
興味を示すとは。」
Jessica05_HM-[T8370]
「いいから教えて」
比較精神研究班長ネビン
「ああ、すまん。
これは
アーティファクトといってな
古代の神々の遺産だ。
特殊な能力があるとの事だぞ」
比較精神研究班長ネビン
「ま、
私にはよくわからんがね
どう使えばいいのか
さっぱりだしな………」
比較精神研究班長ネビン
「ちなみにこれは
娘の初任給で
買ってもらったものだ。
言うなれば
私の宝物ってやつだな」
Jessica05_HM-[T8370]
「そう」
比較精神研究班長ネビン
「興味なさそうだな?」
Jessica05_HM-[T8370]
「………………」
Jessica05_HM-[T8370]
「別に」
比較精神研究班長ネビン
「さて、
これより数日後にお別れだ。
これから君が待つのは
外界の元いた世界だ。
戸籍については元のままだ。
元の名を名乗り
今まで通り生活していくといい。」
比較精神研究班長ネビン
「君は実に
扱いやすい素直な被験体だった。
滞りなく進みむしろ逆に
不安になったものだが………」
Jessica05_HM-[T8370]
「…………みんなは……」
比較精神研究班長ネビン
「………………」
比較精神研究班長ネビン
「全滅した、と聞いている。
生き残りは
Jessica05_HM-[T8370]。
君だけだ、と………」
Jessica05_HM-[T8370]
「そう」
比較精神研究班長ネビン
「………………」
Jessica05_HM-[T8370]
「別に興味ないし」
洗脳研究班長レンシア
「あんらー!
人形のくせに
感傷に浸ってんのー?」
洗脳研究班長レンシア
「人間のマネしないと
人形は人間に
なーれないもんねえー♪」
シュッ
シュタッ
洗脳研究班長レンシア
「ヒッ!?」
Jessica05_HM-[T8370]
「その"人形"ってやつ」
クイッ
Jessica05_HM-[T8370]
「……次言ったら殺すよ?」
洗脳研究班長レンシア
「……………クッ!!
オメーこんな事して
どーなっかわかってんのか!?
オメーが今やったコト
全部報告してやるからな!!」
Jessica05_HM-[T8370]
「………………」
Jessica05_HM-[T8370]
「死体が
どうやって喋るの?」
洗脳研究班長レンシア
「」
?研究員A
「………………」
?研究員B
「………………」
比較精神研究班長ネビン
「………………」
洗脳研究班長レンシア
「わ、わかったよ!
言わない!
もう言わないィッ!!」
シュッ
スタッ
Jessica05_HM-[T8370]
「………………」
Jessica05_HM-[T8370]
「………………」
洗脳研究班長レンシア
「……つまんなーい!
失礼するわっ!!」
ドタッ ドタッ
ドタッ ドタッ
Jessica05_HM-[T8370]
「………………」
比較精神研究班長ネビン
「………………」
Jessica05_HM-[T8370]
「下品ね」
比較精神研究班長ネビン
「……奇遇だな」
アイシス・レンダル
「あ、ミーシャちゃんだ……
綺麗なお母さんもいる………」
アイシス・レンダル
「今日も居ないかなー」
アイシス・レンダル
「うーん、今日もいないなー
いつもここにいるはずなのに」
アイシス・レンダル
「おうちまで行ってみよっかな」
アイシス・レンダル
「全然出てこないなあ」
アイシス・レンダル
「毎日探してるのに
なんでいないんだろう………」
アイシス・レンダル
「あんなに仲良しなのに………」
アイシス・レンダル
「こんなに大好きなのに………」
アイシス・レンダル
「こんなに大好きなのに………
こんなに大好きなのに………
こんなに大好きなのに………
こんなに大好きなのに………
こんなに大好きなのに………
こんなに大好きなのに………
こんなに大好きなのに………
こんなに大好きなのに……」
?勝気な女の子
「きょうもいってくるわ!」
?おじさんA
「おう、
行ってらっしゃい!」
?お兄さんA
「最近楽しそうだなー」
?勝気な女の子
「うん!
いってくるー!!」
?お兄さんA
「何かいいことあったのかい?」
?おじさんA
「集会所で遊んでるんだとさ」
?お兄さんA
「集会所で?
面白いこともあるもんだ」
?勝気な女の子
「きょうもトランプであそぼ!!」
ミーシャ・シルバーレイン
「あそぶー!」
イアフ
「ぽっぽー!」
ヴァルキオン連合報酬担当官ロミナ
「トランプ大好きねえー
アスカ?」
アスカ・エリーン
「大好きー!」
ヴァルキオン連合報酬担当官ロミナ
「うふふっ
来てくれて本当に助かるわー
元気でかわいいしー
ほんとのお姉さんみたいね?」
アスカ・エリーン
「えへへー」
アスカ・エリーン
「えっとね!
わたし
ロミナのこどもになるの!」
ヴァルキオン連合報酬担当官ロミナ
「あらあら………
でもアスカちゃんみたいな
元気でかわいい子なら、
いいかもしれないわねー?」
アスカ・エリーン
「やったー!!」
イアフ
「ロミナはずーっと
ずっと一緒にいてくれたんだっぽー!
いたくてもへっちゃらだっぽー!
おいらのおかあさんだっぽー!
とってもだいすきだっぽー!」
イアフ
「ミーシャよりも
おいらのほうがいいんだっぽー!
おいらの
おかあさんになってもらうっぽ!」
イアフ
「ミーシャなんか
いらないっぽー!」
アスカ・エリーン
「わたしのおかあさんになるのー!」
イアフ
「おいらだっぽー!」
ミーシャ・シルバーレイン
「おにーちゃん!
おきゃくさんだよー」
集会所事務員エルシーク
「あー……
営業時間終わってるのになあ…」
アスカ・エリーン
「ロミナがいるんだから
まかせとけばいいの!!」
集会所事務員エルシーク
「ま、そうしよっか」
集会所事務員エルシーク
「お客さんはロミナに任せるよー」
ミーシャ・シルバーレイン
「うん、わかったー!」
アスカ・エリーン
「ねえ!」
集会所事務員エルシーク
「……ん?なんだい?」
アスカ・エリーン
「わたしも
おにいちゃんってよんでいー?」
集会所事務員エルシーク
「ははは。
ああ、いいよ。」
アスカ・エリーン
「やったー!!
おにーちゃん!!」
集会所事務員エルシーク
「よしよし」
キャアアアアアアアアッ
集会所事務員エルシーク
「なんだ!?」
ダッ
集会所事務員エルシーク
「ロミナ!!!」
集会所事務員エルシーク
「ああ……なんてことだ……
ロミナ……!ううっ!!
こんなひどい………」
集会所事務員エルシーク
「待て!!貴様ァ!!!」
滅殺天衝!!
貫け聖なる光よ!!!
ディバインブラストォーッ!!
キュゥゥウゥゥイィィーンッッ
ズドガガガガガガガッガッ
ドゴンッザシャアッッッ
アスカ・エリーン
「!?」
ヴァルキオン連合報酬担当官ロミナ
「………ハァッ………ゥッ…」
ミーシャ・シルバーレイン
「ママー……!
ママーー………!!」
集会所事務員エルシーク
「くそっ………
ロミナ……ロミナー!!」
アスカ・エリーン
「ミーシャ!!
なんで
まもらなかったの!?
ロミナのこどもでしょ!?
アンタのせいなんだから!」
アスカ・エリーン
「おかあさんのこと
まもれないなんて
アンタなんか
ロミナのこどもじゃない!」
ヴァルキオン連合報酬担当官ロミナ
「ハァ…………ハァ………
………ァ…………ァ………」
ミーシャ・シルバーレイン
「ママぁ………
わたしのせいなの?
ねえわたしのせいなのー!?
ママのこどもじゃないのー!?」
ミーシャ・シルバーレイン
「たすけて……
エルシークおにいちゃん……
たすけてー………」
集会所事務員エルシーク
「ミーシャ……
ロミナ……!
くそっ………!
僕はなんと
無力なんだ!!」
ヴァルキオン連合報酬担当官ロミナ
「ミー……シャ…………」
アスカ・エリーン
「ロミナ………おきて
……ねぇ……おきてよー…」
ミーシャ・シルバーレイン
「ママー……ぁ……
……マ、マァー……ァー」
集会所管理人バイロン
「ひとまず治癒にあたる……」
集会所事務員エルシーク
「容疑者確保と
警備員へ通報してきます……」
集会所管理人バイロン
「ああ、頼む……」
ヴァルキオン連合報酬担当官ロミナ
「………………」
アスカ・エリーン
「…おきて…………
………おきて………」
ミーシャ・シルバーレイン
「……アー……アー…
………ァー……」
冒険者ライナスティナ
「………なるほど。
私としては、
挨拶しないで黙って出て行った方が
絶対にいいと思うけどね……」
アイシス・レンダル
「でも……
育ててくれたのは確かだし……」
冒険者ライナスティナ
「………………」
冒険者ライナスティナ
「ま、それは
アイシスが決める事だね。
……未来を決めるのはアイシス。
貴方の意志なんだから。」
アイシス・レンダル
「うん!」
冒険者ライナスティナ
「明日の朝、7時に出るよ。
場所はサボテン村東門掲示板前。
時間厳守で。いいね?」
アイシス・レンダル
「お父さん、あの………」
?威圧的な父親
「なんだ?」
アイシス・レンダル
「家を出ます。
今まで、
ありがとうございました」
?威圧的な父親
「………………」
?威圧的な父親
「バカな事
言ってないで早く寝るんだ。
明日も朝から店番頼むぞ」
アイシス・レンダル
「お父さん!
あの、家、出るって……」
?威圧的な父親
「あのなアイシス……」
?威圧的な父親
「今までおまえに
いくら金かけたと思ってんだ?
その上大した働きもなく
こうしてメシ食わしてやってんだぞ?」
?威圧的な父親
「そこで更に恩も返さず
家出るたァ
おまえバカか!?」
アイシス・レンダル
「…………ぅ……」
?威圧的な父親
「………早く寝ろ。」
アイシス・レンダル
「………でも!」
ドガァッ
アイシス・レンダル
「んぶっ……」
?威圧的な父親
「………寝ろ」
アイシス・レンダル
「………はい…」
アイシス・レンダル
(明日の朝、7時、
サボテン村東門掲示板前……)
アイシス・レンダル
(時間厳守………)
アイシス・レンダル
(…厳守………)
アイシス・レンダル
「あの、今日……
…家出るから…………」
?威圧的な父親
「………まだわからんのか?」
ドゴォッ
アイシス・レンダル
「んぐうっ………」
?威圧的な父親
「………………」
ドガッ
アイシス・レンダル
「………ぅぐっ………っ」
アイシス・レンダル
「ううっ……
…ひぐっ……ひぐっ……」
アイシス・レンダル
「………もういやああっ!
…………こんなの!!!」
ドガッ
?威圧的な父親
「黙れ」
ドゴォッ
アイシス・レンダル
「もういやああああっ!!」
アイシス・レンダル
「間に合わなく
なるのぉっ!!!
人生
変えるのおぉぉっ!!!」
カチャッ
アイシス・レンダル
「ハァ…………
……ハァ…………ッ」
?威圧的な父親
「……ナイフなんか持ち出して
何するつもりだ……?
こっちによこしなさい!」
サッ
アイシス・レンダル
「ひっ!?!?」
バッ
ズッ
アイシス・レンダル
「…………ぁ……」
?威圧的な父親
「アイシス!!…………っ…」
アイシス・レンダル
「あ、あ、あ…………っ」
バッ
カランカランッ
ダッ
アイシス・レンダル
(行かなきゃ…………
間に合わなくなる………)
アイシス・レンダル
(行かなきゃ…………!)
アイシス・レンダル
(………行かなきゃ…………)
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