案内人アレクシア
「あーなんか
ドッと疲れたわ…」
移動管理人アデーラ
(……『変化』に、
気づいた……の?)
移動管理人アデーラ
「本当に……
『気づいた』?」
案内人アレクシア
「何に気づいたって?」
移動管理人アデーラ
「……さぁね。」
案内人アレクシア
「しっかし、
あのアスミンって子!
ほんっと調子狂うわ…」
移動管理人アデーラ
「あら。
どうせまたカマトトぶろうとして
無理しただけなんじゃないの?」
案内人アレクシア
「あら守銭奴
この期に及んでまだ
バカみたいに
この私に楯突こうというのかしら?」
移動管理人アデーラ
「あらあら。
無理しちゃって…
さっきまで
腹痛に悶絶してたじゃないの。」
移動管理人アデーラ
「しかも拾い食い」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
案内人アレクシア
「あらあらあら。
あのね?守銭奴。
その
風通しの悪そうな
バカっぽく節操ない
顔の穴かっぽじって
よーく聞いてね?」
案内人アレクシア
「私の家系は代々公務を担う
正当な政務官のお家柄。
お家柄と育ちと教養と人脈…」
案内人アレクシア
「そして資産」
案内人アレクシア
「どこをとっても
貴方なんて私の
足元にも及ばないわけ。
こうして
同じ空気を吸うのも
おこがましいわ。」
案内人アレクシア
「わかる?」
移動管理人アデーラ
「あらあらあらあら。
その割には、
最下層民である
スラム民ですら見せないような
下品なお顔と立ち振る舞いを
見せてくれてるわけだけど…」
移動管理人アデーラ
「どういうことかしら?」
案内人アレクシア
「あらあらあらあらあら。
下賎な育ちで教養の欠片もない
生き方してきた貴方のようなバカには
この滲み出る品格と
黄金の精神が見えないようねー?
男にモテすぎて困るわー」
移動管理人アデーラ
「あらあらあらあらあらあら。
そんな汚物
見えるのなら願い下げだわー
カマトトぶってもその程度?」
案内人アレクシア
「あらあらあらあらあらあらあら。
家族の居ない孤児院育ちじゃ
あなたの
お母様の人格も
透けて見えるわねー
最下層民に相応しいご教養だこと!
私のお父上と母上とは大違いだわ!
オホホホホホホホ」
移動管理人アデーラ
「さっきのオジサマに
変人って思われてたのは
どこのカマトトだったっけ?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
案内人アレクシア
(……このクソ女!)
案内人アレクシア
「フン!
あなたが何言っても
下賎な最下層民の出って事は
揺ぎ無い事実でしかないけどね!!」
案内人アレクシア
「私の事
大したことないだとか言う割に
貴方の方が大した事ないじゃない!
貴方と懇意にしてるお友達が
たまに会いに来るみたいだけど?
みーんなみすぼらしくて
バカっぽくてキモいのばっか!!」
案内人アレクシア
「さっきの小娘も
うあーだとかあうーだとか
なのですーだとかしか言わないし
バカの一つ覚えみたいに繰り返して
かわいいとか思ってんのかしら。
あんなの誰だって出来るわ!
あんなんで偉そうに!!」
移動管理人アデーラ
「あのアスミンってエリーン…
本当に、
大した事がない
って思ってるのなら…」
移動管理人アデーラ
「大きな間違いよ」
案内人アレクシア
「ハァ!?
あんなバカっぽいのが!?」
移動管理人アデーラ
「私たちじゃ到底真似できない…
むしろ、
アスミンと同じような事をしても
難しすぎて無理ね。
扱いきれないわ。
むしろ逆に怪我するわよ。」
移動管理人アデーラ
「よく言うでしょう?
大道芸人の火吹きや、
綱渡り中の新体操、
高所でのブランコでの危険な演出。
これらに魅せられて、
一般人が同じような事をしたところで
同じように出来ないばかりか、
ケガもするでしょう。
最悪、命を落としかねないわ。
たまたま成功したところで、
やはり熟練の達人のようにはいかず
ましてや見世物としては
成り立たないでしょう。」
案内人アレクシア
「は?
何言ってんのかわかんない」
移動管理人アデーラ
「相応の力量を
持ち合わせない者が
真似したところで、
逆に大怪我する事にも
なりかねない、って事。」
移動管理人アデーラ
「それを、
アスミンは常に成功させている。」
案内人アレクシア
「全部計算づくってこと?
まーさーかー!!
あんなうあーうあー言ってるのが?
オジサマにウケたのもたまたまでしょ」
移動管理人アデーラ
「……計算…とは違うと思う。
乱雑に絡み合った糸の中から
ただ一つの糸を引き抜くだけで
すべてがほどける…
そんなのがあったら…」
移動管理人アデーラ
「あのアスミンって子なら
特に調べもせずに
一発で見抜いて
ほどくんじゃない?」
案内人アレクシア
「ええええええええっ!?」
案内人アレクシア
「うあーうあー言ってれば
そういうのが
出来るように
なるって事!?」
移動管理人アデーラ
「うん、バカね」
案内人アレクシア
「バカほど
バカって言葉を
使いたがるみたいよ」
ドドドドドドドドドドドドドドドド
移動管理人アデーラ
「ま、こんなのと
語り合ってても
時間の無駄だわ。」
ザッ
案内人アレクシア
「あら逃げるの?」
案内人アレクシア
「貴方のお母様も困ったものね。
貴方に多額の借金残して
死んでいったらしいじゃない?」
案内人アレクシア
「母もバカなら
娘もバカって事ねー?」
案内人アレクシア
「こんなのと関わりたくないわー」
移動管理人アデーラ
「…………………」
案内人アレクシア
「図星過ぎて
返す言葉もないということね?
そんな貴方に
品位だとか振る舞いだとか
語る資格あるのかしらー?
ふふふふふ」
ドドドドドドドドドドドドド
移動管理人アデーラ
「………………………………」
移動管理人アデーラ
「貴方に私の母の何がわかる?」
移動管理人アデーラ
「母の悪口は
一語たりとも許せないわ!」
移動管理人アデーラ
「撤回なさい!」
案内人アレクシア
「あらこわーい」
移動管理人アデーラ
「……貴方、
モテすぎて困るとか
なんとか言ってたけど
どーでもいい男にモテるのはね…」
移動管理人アデーラ
「それ、
モテるって
言わないのよ?」
案内人アレクシア
「ハァ?」
スッ
スッ
ササッ
バッ
移動管理人アデーラ
「本当にモテたい相手には
見向きもされないのよね。
特に
あなたのような
タイプは。」
案内人アレクシア
「!!」
移動管理人アデーラ
「本当にイイ男って、
外面だけじゃなく、
その内面まで透かし見れるのよ。」
移動管理人アデーラ
「女なんてそれほど
星の数ほど見てきただろうしねー」
移動管理人アデーラ
「カマトトぶってモテたって
なーんにもならないんじゃない?」
移動管理人アデーラ
「そんなんで……
モテる価値あるの?」
案内人アレクシア
「な、なんで貴方に
そんな事
言われないといけないのよ!
バッカじゃない!?
えっらそうに!!!」
移動管理人アデーラ
「ふぅ………」
移動管理人アデーラ
「顔真っ赤よ」
案内人アレクシア
「私はね!
こーんなちっちゃな頃から
習い事、学習塾にみっちり通って
お抱えの家庭教師にも習って
テストじゃいつも100点!
学年じゃ成績トップ!
学年中の男子から憧れの的!
女子からも当然のように
羨望の眼差しで見られてたわ!
学校も名門!
あらゆる芸術コンテストでも優勝!
全アルボレア学歴調査でも
トップクラスの成績!
父は名家の出身で
代々、ヴェリカの政務を勤める
高学歴高収入の公務員!
母は同じく名家のお嬢様で
各界での人脈もあるわ!」
案内人アレクシア
「その私が!
モテたい相手に!
モテないだなんて!!
そんな事あるわけないじゃない!
ええ、ないわ!
絶対ない!
あるはずがないのよ!」
案内人アレクシア
「いい加減なこと言ってると
このヴェリカで仕事
できなくさせてあげてもいいのよ!!」
移動管理人アデーラ
「………………………」
案内人アレクシア
(ふふっ…
私の偉大さにひれ伏したかしら?)
移動管理人アデーラ
「……醜い」
案内人アレクシア
「今なんて!?」
移動管理人アデーラ
「……その割には、
大したことない男
ばっかり捕まえて
本命には振り向いて
もらえないようだけど?」
移動管理人アデーラ
「ほら、あのー…
狂気の」
案内人アレクシア
「わー!わー!わー!」
案内人アレクシア
「わーーーー!!!」
移動管理人アデーラ
「…貴方が言うほどまでに、
貴方に価値があるというのなら
その人がほっとかないんじゃない?」
移動管理人アデーラ
「大した事ないくせに、
自分は凄いって見栄張ったって
現実はこうよ。」
移動管理人アデーラ
「他人のあら捜しばっかしてないで
その両目よーくかっぽじって
自分の事もちゃーんと
見たらどうかしら?」
移動管理人アデーラ
「自称モテ女さん?」
移動管理人アデーラ
「本当にモテたい人に
相手にされないーっていう
典型的なタイプっぽいわよねー
このカマトトって。」
案内人アレクシア
「な、
何ですってェーッ!?」
移動管理人アデーラ
「おーこわー
それがあんたの本性ってやつよ。
それで
誰が貴方みたいな生ゴミに
振り向くのかしらね?」
移動管理人アデーラ
「見てみたいもんだわー
まじ見てみたいもんだわー」
移動管理人アデーラ
「じゃ、
アンタみたいに暇人じゃないので」
ザッ
案内人アレクシア
「そんな事ない!」
案内人アレクシア
「……そんな事ないもん………」
NEXT
⇒アスミンと連合軍司令部なのです~
ぽちっとしてくれたおかげで
1位にうあー
みなさんありがとなのです!