集会所管理人バイロン
「イアフ。問題ないか?」
集会所管理人イアフ
「具合は良好!
アーマンでも動けないよー」
集会所管理人バイロン
「うむ。よくやったぞ。」
白金印章交換担当官ミーシャ
「アー………アー……
……アー…」
集会所管理人バイロン
「………ミーシャ…」
青銅印章交換担当官ショリン
「……集会所管理人バイロン。」
青銅印章交換担当官ショリン
「………説明願います。」
白銀印章交換担当官セブリル
「右に同じ……」
集会所事務員エルシーク
「また、だね…………」
集会所管理人バイロン
「……だな…」
集会所管理人バイロン
「……ミーシャはな。
ロミナが襲われた時、
まさにその現場に居て
惨状を目撃してしまった者だ」
集会所管理人バイロン
「幸い、怪我はなかった。
……身体的には、な。
…ワシが発見した時
アーアー…と呻いていた、
まさにその状態が14年経った今も
尚、続いているのだよ。
一向に改善される節も見えぬ。」
白銀印章交換担当官セブリル
「そうなんだ………」
集会所管理人バイロン
「もう一人の子は、
完全に心を閉ざしてしまってな。
喋りもせず動きもせず……
人間が当たり前に持っている
その感情を失ってしまったのだ……」
集会所管理人バイロン
「ヴェリカはこの事件に対し、
あくまでも都訓に忠実な行為 の
果てに起こってしまった事故と処理した
その為、
このギレスを責任能力に問えぬとし、
無罪放免とし野に放った。」
集会所管理人バイロン
「だがこんな卑劣で凶悪な件を
法が許しても、情が許すわけがない。
遺族や、件を知る者が
断固として許さなかったのだろう。
今回の事件にあたり、
ヴェリカはこの二人の子供たちを保護し
その手厚いケアをヴェリカの施設で行い
その費用もヴェリカが全額負担する事で
遺族の怒りも次第に落ち着いていった」
集会所管理人バイロン
「その療養期間中は、
精神のケアに徹する為に
面会は一切行えなかった。
これについては遺族も不満だったが
しかしあれだけの惨状を見て
心を壊してしまった二人の子供を思えば
致し方ないのかと自身らを納得させた」
集会所管理人バイロン
「…その事件から数年が経過した頃、
子供のうちの……
とは言っても、成長し
もう「子供」ではなかったが…
一人が、
精神療養施設より正式に退院する。」
集会所管理人バイロン
「遺族や、
特に懇意にしていた者らが
この退院を暖かく出迎えた。」
白銀印章交換担当官セブリル
「おお……
ちゃんと覚えてくれてたんだ!
良かったなあ……」
集会所管理人バイロン
「…しかし、変化があった。
決定的な変化が。
…この変化はなんだと思うかね?」
白銀印章交換担当官セブリル
「成長して…キレイになった?」
集会所管理人バイロン
「…確かに、
見違えるほど壮麗になった。
だが確かにその面影は残し、
間違いなくその当人だと思えたよ。
…しかし…………」
青銅印章交換担当官ショリン
「……人が変わってしまった?」
集会所管理人バイロン
「……記憶を失っていたんだよ。
出迎えた者らの
誰の顔も覚えていなかった。
性格も活発なものから
ネガティブなものにもなったな。」
白銀印章交換担当官セブリル
「……つまり
その子がミーシャって事?」
集会所管理人バイロン
「まさにその通りだ。
ミーシャは、
数年に及ぶ精神療養の末、
まったく違う人格で戻ってきた。」
集会所管理人バイロン
「……ヴェリカ精神療養施設の言い分は
精神的な衝撃があまりにも強すぎて
それ以外に方法がなかった、との事だ。
専門的知識のない我々としては
納得する以外になかった。」
集会所管理人バイロン
「だが、こうして無事に
戻ってきてくれたのだ。
我々は暖かく迎え、
ヴェリカより提供された住居へと
送り届けた後、
軽いパーティーを行ったよ。」
集会所管理人バイロン
「ミーシャは施設より説明されていたが
やはり記憶に無い者らに囲まれて
少々戸惑っていたのは否めない。
そんな中にあっても、
良い歓迎会は開けたと思う。」
集会所管理人バイロン
「ミーシャにはヴェリカより
生活に必要な家具一式と
多少の余裕ある生活費は
定期的に支給されている。
働かなくても、
贅沢しなければ悠々自適に
一生遊んで暮らせる。」
白銀印章交換担当官セブリル
「あんな事があったんだもんなあ……
そのくらいは当然だよ…」
集会所管理人バイロン
「そうだな。
それに、
事件はまったく覚えていない。
自分がなぜ手厚い支援を
ヴェリカより受けているのかは、
ヴェリカから特級庇護対象として
選定されたからである、と
そうした説明は受けている。」
集会所管理人バイロン
「ミーシャ自身よくわかってないが。
だが特に疑問もなく
日々を悠々と過ごしていた。」
集会所管理人バイロン
「そして
施設より退院した日より
数年が経過した頃………」
集会所管理人バイロン
「ヴェリカ集会所で勤務したい、と
そう嘆願してきたのだよ。」
白銀印章交換担当官セブリル
「!!」
青銅印章交換担当官ショリン
「………………」
集会所事務員エルシーク
「………………」
集会所管理人バイロン
「………一体どういう事なのか。
覚えていないはずの集会所に
働く必要もないというのに
働くという道を選ぶ…………
しかも、
あれだけの事があった場所で。」
集会所事務員サラミア
「………………」
集会所管理人バイロン
「………その話を聞いた時は
当初、果たしてどうなのか…と
率直に思ったよ。
こうして過去の記憶を失っているのは
記憶を留めている状態では
正常な精神を保っていられないほど
ズタズタだからなのではないか…
そのまさに現場の
ヴェリカ集会所で勤務するという事は
過去に置き去りにした記憶の片鱗を
摘み上げて見せる事にならないかと」
黄金印章交換担当官アイシス
「さっきみたいにね…… 」
集会所管理人バイロン
「うむ…………」
青銅印章交換担当官ショリン
「それなのに……
なぜここで
勤務する事を許可したのですか?
その当時も
ヴェリカ集会所管理人として
貴方は勤務されていた、と
そう記録にありましたが。」
集会所管理人イアフ
「………………」
集会所管理人バイロン
「それはな……」
集会所管理人バイロン
「……このヴェリカ集会所で
ミーシャが勤務するという事は
何か大きな流れの兆候なのでは…
ワシは、
その流れの始まりを
今まさに垣間見ているのではないか。
ふと、そう思えてきたのだ。」
黄金印章交換担当官アイシス
「………………」
集会所管理人バイロン
「そうだろう?エルシーク。」
集会所事務員エルシーク
「……そうだね。
ミーシャがここで勤務しようと
決断する数日前に、
その当時の
白金印章交換担当官は
なぜかその時期に退職したしね。
親族の仕事の手伝いの為、
って理由だったけど。」
集会所事務員エルシーク
「ミーシャが誰かに
誘導されたのかと考えたけど、
そんなこともなかった。
公職の人事の話が、
ヴェリカの噺草に流れるとも思えない」
集会所事務員エルシーク
「それは、
ショリンだったらわかると思う。」
青銅印章交換担当官ショリン
「確かに。
内部の情報は、
どんな小さなことであれ
最重要機密にあたりますから。」
集会所事務員エルシーク
「ミーシャはもう
ヴェリカの管轄下にはなかったし、
誰かに吹き込まれたかという疑惑も
僕が調べたところ片鱗はなかった。」
集会所事務員エルシーク
「それに加えて、
この集会所には以前より
いろんな偶然が
重なりすぎていたんだ…」
集会所事務員エルシーク
「黄金印章交換担当官アイシス。
集会所事務員サラミア。」
集会所事務員エルシーク
「君たちも、
誰かに言われるでもなく…
自らの意志でこの
ヴェリカでの勤務を望んだ。」
黄金印章交換担当官アイシス
「そうね」
集会所事務員サラミア
「うん」
集会所事務員エルシーク
「…そしてこの集会所で
以前にその役職に就いてた者は
君らが求職する少し前に、
何らかの理由で
同様に退職してるんだよ。」
黄金印章交換担当官アイシス
「………………」
集会所事務員サラミア
「………………」
集会所事務員エルシーク
「それに、
どこで勤務するという要望もなく
ここでの勤務に至ったわけだし。」
集会所事務員エルシーク
「そうしてミーシャも、
この集会所に勤務し始めた。
君らとの違いは、
この集会所を希望した点だけど。
これは記憶を失おうと尚
ミーシャに宿る想い、
それと因果を感じた……」
集会所事務員エルシーク
「でも当然、最初は心配したよ。
不安で仕方なかった。
時こそ10数年前だけど
場はまさにここだ。
ふとしたきっかけで
思い出してしまうんじゃないか…」
集会所事務員エルシーク
「でも、
ミーシャが居てくれるこの集会所。
何だろうね……
何とも感慨深いものがあったよ。
僕はとても嬉しく思ってる…」
集会所管理人バイロン
「………そうだな。」
白銀印章交換担当官セブリル
「えーっと………
オレあんま頭よくねーから
よくわからないんだけどさ…」
白銀印章交換担当官セブリル
「つまり、
ここにいる人間は、
あの事件と何らかの
関わりがある……ってコト?」
黄金印章交換担当官アイシス
「……そうね。
ミーシャとは、
アルン大陸の、
とある街で知り合ったわ。
その街は、
アルレマンシアから追放された
ハイエルフが流れ着く街のひとつ。
まったく居なかったハイエルフが
じょじょに増えていったのは
今でも覚えている。」
黄金印章交換担当官アイシス
「最初は
やっぱ違和感あったけどねー…
秩序の権化、
審判の代行者、
無慈悲な神の化身、
あらゆる通り名のあるハイエルフ。
そのどれもが良い印象はないわ。
正直、怖かったけど
実際のハイエルフはすごく聡明で
気品溢れる立ち振る舞いと
その流麗な容姿には
いつしか羨望と尊敬の対象として
見る者も多くなっていくに至った。」
黄金印章交換担当官アイシス
「そんな私もその一人ね。ふふ」
黄金印章交換担当官アイシス
「あの時のミーシャ、
ほんっとアルボレア人形みたいで
私もミーシャも子供だったけど
私はミーシャの美しさに
すごく惹かれてたかもしれない。
それからミーシャと仲良くなるのも
そう長い時間はかからなかったの。
それからは本当に、
いつでも一緒にいてよく遊んでたわ」
黄金印章交換担当官アイシス
「ミーシャとその親が
ヴェリカに移り住むと
決まるまでは、ね」
黄金印章交換担当官アイシス
「それからたまに親がヴェリカに
交易と買出しに行く時があって、
それに付いていって
ミーシャに会いに行ったものよ。」
黄金印章交換担当官アイシス
「………そう、
この集会所の一角 でよく遊んだわ」
黄金印章交換担当官アイシス
「そこでよく出される
エルヴンワッフルが、ね。
本当に、おいしかった………」
黄金印章交換担当官アイシス
「ほん、とう、っに………っ…」
青銅印章交換担当官ショリン
「………つまり…
そのアルン大陸のとある街は…」
青銅印章交換担当官ショリン
「ロミナが流れ着いた街と同じで、
貴方はその街で、
幼少期のミーシャと
集会所勤務する前のロミナと
実際に関わりを持っていた、と?」
黄金印章交換担当官アイシス
「うん……
でも、あんな事になるだなんて…」
白銀印章交換担当官セブリル
「………そっか…
きっついだろうな……」
白銀印章交換担当官セブリル
「…なあ、アイシス。
オレたち仲間だろ?
…つらい時は
いつでもいいからさ。
めっちゃ付き合うぜ。」
黄金印章交換担当官アイシス
「……ありがとう…………」
青銅印章交換担当官ショリン
「……となるとサラミアは
一体どんな関係があるのでしょう?
この場に居る者は
必ず何かしらの関係がある、
との事ですよね?」
集会所事務員サラミア
「………………」
集会所事務員サラミア
「私はヴェリカに住んでる。
今も昔もね。
でも親は私を施設に預けて
居なくなってしまったわ。
でも施設は大きい人ばかりで
友達らしい友達も居なくて。」
集会所事務員サラミア
「それからいつしか集会所で
子供が集まってるという噂を聞いて、
ヴェリカ集会所に行ってみた。
そうしたらすごく賑やかで。
いつしかヴェリカ集会所へ行って
遊ぶ事が日課になったの。」
集会所事務員サラミア
「それからも集会所で会うたびに
よく遊んだりお話をした。
そこでよく食べた
エルヴンワッフルがおいしかった。
今でも鮮明に覚えてる。」
集会所事務員サラミア
「その集会所に集まる
一人の子と特に仲良くなったわ。
………すごく楽しかった。
あんな事、今までなかったもの。」
集会所事務員サラミア
「……その子は、
今でも大切な友達。
今までも。
これからも。
ずっと。」
黄金印章交換担当官アイシス
「………………」
集会所事務員サラミア
「それから、
あの事件があって……
私は、ある矯正施設で
あらゆる端末操作技術と
仮想言語の論理解析と構築、
そして能力の限界を引き上げる
特化教育を叩き込まれてたわ。」
集会所事務員サラミア
「すごくつらかった。
つらかったけど……
それすらもよくわからないまま
私は極限まで強化されたの。」
集会所事務員サラミア
「その結果が、今の私。」
集会所事務員サラミア
「…………これでいい?」
青銅印章交換担当官ショリン
「…………ええ。
ありがとう、サラミア。」
白銀印章交換担当官セブリル
「………………」
白銀印章交換担当官セブリル
(そういう事だったのか……… )
集会所管理人バイロン
「ワシはここ、
集会所管理人として勤めていた。
そしてどのように
あの事件に関わったかといえば、
以前説明した通りだ。 」
集会所事務員エルシーク
「僕もここに勤めていた。
あの事件は忘れられないよ……」
集会所管理人イアフ
「オイラもよく
ここに来て遊んでたからなー
それに、ロミナには
一生忘れられない恩義があるんだ」
集会所管理人バイロン
「……皆、あの事件によって
残された傷跡を
どうにかして癒そうとしている。
そして、
なぜこうして集ったのか…。 」
集会所管理人バイロン
「ワシはそれを、
集うべくして集ったのだ、と
結論づけたのだ。」
集会所管理人バイロン
「この偶然の重なり。
偶然も重なれば必然となる…
ワシは、
こうした必然は
必ず意味あるものであると
そう信じているのだ。」
集会所管理人バイロン
「そう…………」
集会所管理人バイロン
「それは運命なのだと。」
青銅印章交換担当官ショリン
「しかし……
アスミンはどう関係あるのですか?
れんこんすこんぶを探す依頼 に、
何の意味が繋がるのでしょうか?」
青銅印章交換担当官ショリン
「そもそも、
れんこんすこんぶって
一体なんですか?
私は今まで生きてきた中で
このようなモノは一度たりとも
聞いた事も見た事もありません。」
集会所管理人バイロン
「ワシにも見当つかん………
それについては
ここに居る皆も同意見だろう。
それは
会議チャットにて確認済だ。」
青銅印章交換担当官ショリン
「見当もつかない!?
それは一体どういう了見でしょう?
まったく意味のわからない
そんな依頼をしてきた相手を、
規則に反して
無料で許可し
依頼を貼り付けた、
とでもいうのですか!?」
集会所管理人バイロン
「………………」
集会所事務員エルシーク
「………………」
集会所管理人バイロン
「ショリン。
君は気がつかなかったのか?」
青銅印章交換担当官ショリン
「何がですか?」
集会所管理人バイロン
「アスミンが、
牛丼が好きだと話していた事を。 」
青銅印章交換担当官ショリン
「ええ、話していましたが……」
集会所管理人バイロン
「誰と話していたと思うかね?」
青銅印章交換担当官ショリン
「エルシークでしょう?
声を出してはいませんでしたが、
うなずいたりしていましたよね?」
集会所事務員エルシーク
「………いいや、それは違う。」
青銅印章交換担当官ショリン
「……と言いますと?」
集会所管理人バイロン
「なるほど、
気づいてはいなかったのか。」
集会所管理人バイロン
「では、セブリルは?」
白銀印章交換担当官セブリル
「いやー、誰かと喋るように
独り言言う子だと思ってたけど……」
集会所管理人バイロン
「………そうか。」
集会所管理人バイロン
「実はな……」
集会所管理人バイロン
「ロミナは居るのだよ。」
集会所管理人バイロン
「14年前のあの日から
今もこのヴェリカ集会所の
ヴァルキオン連合報酬担当官の位置に
毎日ずっと出勤し続けているのだ…」
青銅印章交換担当官ショリン
「!!」
白銀印章交換担当官セブリル
「へぅ!?」
白金印章交換担当官ミーシャ
「アー……アー…
……アー………アー…」
集会所管理人バイロン
「あのアスミンは、
そ こ に 居 る ロ ミ ナ と
間違いなく会話をしていたのだ。」
集会所管理人バイロン
「ワシらは何度も
ロミナと会話を試みようとした。
だが無理だった。
ワシには存在すら感じる事はできぬ…
他の者も同様だ。
何ひとつ感じ取る事はできぬ……
あれほどまでに、
皆が強い想いを持っている相手なのに、
その雰囲気すら感じ取る事はできぬ。」
集会所管理人バイロン
「ただ一人、
エルシークを除いて、な。」
集会所事務員エルシーク
「………でも、
14年あまりの年月と共に
じょじょに
薄らいでいくのを感じるんだ…」
集会所事務員エルシーク
「想いの強さ。
それが、
現世に在らぬ見えざるモノを
現世に繋ぎ止めている唯一の楔。
それだけがすべてなんだ。」
集会所事務員エルシーク
「森の民であるエルフは、
その見えざるモノを
認識する能力に秀でていた。
それであらゆる災いから身を守り、
時に安全な地へと住居を変え、
未然に被害にあわないようにと、
そうして無慈悲で厳しい大自然を
生き永らえる事ができていた。
時にその大自然の無慈悲さを
外敵から守る矛としたり、ね。」
集会所事務員エルシーク
「そのエルフを祖先に持つ
我らがハイエルフは、
生まれながらにして
その力を受け継いでいた。
だけど、
数千万年という
気の遠くなるような歴史の年月は、
ハイエルフからその能力を
次第に奪い取っていく……」
集会所事務員エルシーク
「それでも、
ハイエルフの中には
エルフの能力を特に強く継承する、
そんな古代種に近しい
ハイエルフも稀に存在する」
集会所事務員エルシーク
「そのハイエルフ……
ハイエルフでありながらも、
エルフの能力を強く持つ者。
それを現代のハイエルフたちは
尊敬と羨望の念をこめ、
こう呼ぶようになった。」
集会所事務員エルシーク
「ディバインエルフ、とね。」
集会所事務員エルシーク
「僕はそのディバインエルフさ。
だから、
ロミナの想いに触れる事が出来る。」
集会所事務員エルシーク
「無論、その想いも弱まれば
より高いエルフ能力も求められるし、
より高い集中も必要になるけどね。」
集会所事務員エルシーク
「だから、わかるんだよ。
日に日に、
弱まっていっているのが…」
集会所事務員エルシーク
「触れて聴いたその想いは、
ハイエルフ伝統の
成人の儀の話だった。」
集会所事務員エルシーク
「ハイエルフには伝統的な儀式がある。
それを乗り越える事によって、
ハイエルフとしての力も勿論の事、
成人したと認められ
一人前となった証にもなる。」
集会所事務員エルシーク
「ロミナはそれを強く気にしていてね。
今こうして
想いのみの存在となっても
それを遺恨とし続けている。」
集会所事務員エルシーク
「その儀式とは、
唯一無二のココロの絆を得る事。
ココロから信頼できる者と
これからも共の時と場を共有する。
そんな誓いを形式ではなく
本当にココロの底から確信する事だ。
古代より伝わる儀式…
これを終えないと、
力が不安定になって暴走したり
まったく力を引き出せなかったり
大自然の摂理から外れたり、
無視できない弊害があるんだよ。」
集会所事務員エルシーク
「秩序に人情はまったく介さない。
人としての暖かい気持ちや、
大切な心の結びつき、
信頼といったものは何もない。
ハイエルフは秩序の種族。
血も涙もない規律の化身。
だからこそ、
この儀式は必要なのだ、と…」
集会所事務員エルシーク
「少なくとも……
僕はそう思っている。」
白銀印章交換担当官セブリル
「そっか……
そんな力をもってても
見えなくなってきたロミナを
アスミンはバッチリ見えて
会話もできてた…………」
黄金印章交換担当官アイシス
「………………」
青銅印章交換担当官ショリン
「……集会所管理人バイロン。」
青銅印章交換担当官ショリン
「………それが、
真なる理由なのですか?」
集会所管理人バイロン
「…そうだ。
この時期をもってして
この集会所においての
各々の点となる想い、因果……
アスミンは、
もしかしたらそれを結びつけ
線と織り成し
我々の悲願という衣を
繕い叶えてくれるのでは…と、
そんな存在のように
思えてならなかったのだ。」
集会所管理人バイロン
「れんこんすこんぶは
まったく見当もつかないが……
だが、
そのすべては
成るべくして成り、
運命の未来へと集約していく…」
集会所管理人バイロン
「そういう事なのではないか?と
ワシはそう確信しておるよ。」
青銅印章交換担当官ショリン
「なるほど………」
青銅印章交換担当官ショリン
「貴方の根拠、把握致しました。」
NEXT
⇒アスミンと1つの可能性なのです~
ぽちっとしてくれたおかげで
2位にうあー
みなさんありがとなのです!