B-866











?勝気な女の子
「あ、おじさん!
 あそんであげる!!」




B-867









?おじさんA
「ごめんなあ

 おじさんね、
 これから忙しいんだ」



?勝気な女の子
「あっそ」



B-869







?勝気な女の子
「こんにちは!

 ひまだから
 あそんであげてもいいわ!」




B-868a









?おじさんB
「忙しくてね。すまんね」



?勝気な女の子
「あっそ」



B-872






?勝気な女の子
「あっ!
 ね!どうせひまでしょ?
 あそんでやってもいいわよ!」



?お兄さんA
「これから彼女とデートなんだ」




B-872a






?勝気な女の子
「なによ!
 このわたしが
 あそんであげるっていってるのに!

 ちょっとは
 うれしそうなかおしなさいよ!」



?お兄さんA
「ハハハ、
 遊んで貰いたいのにごめんね。

 それじゃあね」




B-870










?勝気な女の子
「べ、べつにあそんでほしいなんて
 これっぽっちもおもってないし!」



?お兄さんA
「そっか。それならよかった」






B-875a

















B-875












?勝気な女の子
(………おもってないし)






B-873








?おじさんA
「ああ言っているが

 近い年代の子が居なくて
 本当は寂しいんじゃなかろうか。」


?おじさんC
「そういえば一人、
 あのぐらいの年の子
 この施設に来るという話があったが」



?勝気な女の子
!!




B-874









?おじさんA
貰い手がついたようだよ


?おじさんC
「そうか、それはよかった」




B-875












?勝気な女の子
(………………)



B-875a












?勝気な女の子
(……べ、べつにがっかりとか
 さみしいとかなんて

 ぜーんぜん
 ちっともおもってないし……)





B-876













?勝気な女の子
(………………)






B-877












?勝気な女の子
「………おもってないし













B-878









?お姉さんA
「これから仕事なの。ごめんね」



?勝気な女の子
あっそ!!
 それならしかたないわね!」



B-876a








?勝気な女の子
(……ふーんだ)



B-867a






?勝気な女の子
「ちょっといってくるわ!」



?おじさんA
「行ってらっしゃい。
 お馬さんに気をつけるんだよ」



?勝気な女の子
「このわたしが
 おうまさんなんかに
 まけるわけないじゃない!」




B-866a











?おじさんB
「ハハハ……」







B-976












?勝気な女の子
(つまんなーい)







B-880







?話の長いおじさん
「……ホ、ホ、ホ。

 最近よく
 このあたりで見かけるのう…」



?勝気な女の子
(あ、はなしがながいおじさんだ……

 なんか
 めんどくさいのよねー……



B-881









?勝気な女の子
「だって
 みーんないそがしいって
 あそべないんだもーん」



?話の長いおじさん
「ふむ………」



B-882









?話の長いおじさん
「そうじゃな………

 まず、嬢ちゃんは
 勤労の喜びというものを」






=====30分経過=====





B-883








?話の長いおじさん
「…………という事じゃ。

 どんな綺麗事を言っても
 物欲は生きる原動力である。

 欲があるからこそ」



?勝気な女の子
「……あーわかったわ!

 でもね!
 わたしまだこどもだし!
 おしごとなんてできないもん!」




B-884







?話の長いおじさん
「ホ、ホ、ホ………」





B-885








?話の長いおじさん
「………つまり、
 勤労というものは
 何も金銭的対価や
 業務における契約、
 物資等の交渉なくとも 
 成立する、という事なのじゃよ

 いうなれば、
 仕事でなくても良い。」



?勝気な女の子
「……どういうことよ?










B-886












?勝気な女の子
うわぁ……

 こんなとこあったんだ……」



?話の長いおじさん
嬢ちゃんの住まいからは
 路地にちょうど警備兵が居って
 子供の通行を禁じておるからの



B-887












?話の長いおじさん
「…失礼するぞい」



?優しい声
「こんにちは。

 先日も一人、
 道に迷われた旅人を
 説かれたようですね。

 先ほど、
 ヴェリカ集会所
 貴方に感謝の意を示す方
 訪れていましたよ。」




B-889










?勝気な女の子
(うわぁ……かっこいー……



?話の長いおじさん
「ホ、ホ、ホ……

 それがワシがこのヴェリカに
 居を定めるに至る宿業だからの…」




B-977







?春風のような声
「昨日は本当に
 ありがとうございました。

 あの銘菓ごま蜜団子
 銘菓ひよこまんじゅう……

 子供たちも
 おいしいおいしい
 本当に喜んでおりましたわ。




B-890













?勝気な女の子
(……きれいでやさしそう………



?話の長いおじさん
「これぞ贈った甲斐もあろうもの。

 これほど
 喜ばしい事はないものじゃ…




B-978






?春風のような声
ふふっ



B-892










?春風のような声
「……あら、そちらは…

 もしかして
 新しい子……かしら?」



?話の長いおじさん
「いつも一人で
 寂しそうにしておったからの



?勝気な女の子
「べ、べつに
 さみしかったわけじゃないし!




B-893










?春風のような声
「あら……元気な子なのね。

 昨日の残りだけど…
 よかったら、はい、これとこれ。

 あ、こっちの丸いのは、
 ちゃんと奥歯で噛んで食べてね?



?勝気な女の子
「……あ、ありがと!




B-891









?春風のような声
「あら、いい子ねー
 ちゃーんとお礼言える子なのね?」



?勝気な女の子
「べ、べつに!
 おれいぐらいちゃんといえるし!!




B-978






?春風のような声
ふふっ

 お名前は……?…………」














B-886












?勝気な女の子
やっほー!

 きょうもきてあげたわよ!!



?春風のような声
「あら、今日も元気ね!」




B-696b






?元気な女の子
「あー!おはよー!!



?勝気な女の子
おはよ!

 わたしいなくて
 さみしくなかった!? 」




B-696c







?元気な女の子
さみしかったー!



?勝気な女の子
「なんでそんなさみしがりやなのー!

 まだまだ
 おこちゃまねー
まったく!




B-696e









?勝気な女の子
いいわ!

 わたしがきょうも
 いっしょにいてあげるー!

 このわたしに
 かんしゃすることね!!



?元気な女の子
やったー!




B-887












?春風のような声
「ほんっと、
 元気でかわいいわねー



?元気な女の子
あてくしもげんきなの!
 かわいいのー!!




B-890













?春風のような声
「うん、そうねー
 元気いっぱいね?ふふ」







B-895







?優しい声
「…ちょっといいかな?



B-895a




?優しい声
「あれは
 昨日任務を受けた団体さんだ。

 あの様子だと、
 一気に報酬担当官に行くと思う。

 気をつけて。



?春風のような声
任せて。

 ……それじゃ二人とも。
 ここの中で、遊んでてくれる?




B-901












?元気な女の子
うんー!



?勝気な女の子
「ま、
 入ってあげてもいいわ!




B-896







?春風のような声
「……ありがとう。
 貴方には昔から助けられてばかりね…

 この仕事も貴方がきっかけだし…



?優しい声
「…なぁに、
 それもこれも
 僕の仕事のうちだからね。




B-899












?春風のような声
さすがね。
 頼もしいわ。




B-897











?本もってるおじさん
報酬担当官殿、失礼するよ。
 報酬を頼みたい。

 この者らの報酬もお願いする。」



?春風のような声
「あらいらっしゃい~
 昨日は大変でしたねー」




B-898









?本もってるおじさん
「なぁに、我ら
 ヴァルキュリアギルドにかかれば
 この程度の任務は造作もない事。



?春風のような声
「うふふっ。
 実に頼もしいですわ。

 それでは、達成状況を……










B-696e









?勝気な女の子
ねぇ!

 きょうはトランプと 
 ぽぽりごっこよ!!」


?元気な女の子
えっ………

 ……うん、いいよ」




B-902












?けもの
ぽっぽー



?勝気な女の子
「あ、ぽっぽがきた!!




B-903a








?けもの
ぽっぽー!



?勝気な女の子
「あんたもう
 ケガだいじょうぶなの!?




B-904






?けもの
ロミナさん
 まいにちきてくれたから
 ばっちりなおったっぽー!

 それに
 ポポリはすぐなおるんだっぽー!

 ポポリはすごいんだぞーっ!
 えっへん!!



?勝気な女の子
ポポリもなかなかやるじゃない!




B-906








?春風のような声
「ちゃーんと、
 おとなしくしてたから
 すぐに治ったのよ?

 イアフもよく頑張ったわ。」




B-905













イアフ
ぽっぽー!

 ロミナさん
 ありがとだっぽー!

 とってもやさしくて
 あったかくてやわらかくて
 だいすきだっぽー!!



ヴァルキオン連合報酬担当官ロミナ
「もうイアフったら……

 …でーも、
 すぐ治るからって、
 ケガしちゃダメなんだからね?




B-903













イアフ
わかってるっぽー!




B-896







ヴァルキオン連合報酬担当官ロミナ
「うふふ」




B-696e









?勝気な女の子
「ね、さっきのつづきしよ!」



?元気な女の子
「………うん」













B-906








ヴァルキオン連合報酬担当官ロミナ
「明日はヴェリカ創設記念日よ。

 みんなの力で、
 楽しくて
 綺麗な集会所にしましょうね?



?勝気な女の子
「このわたしにまかせておきなさい!」



?元気な女の子
「あてくしもがんばるー!」



イアフ
「ぽっぽー!」




B-887












?その他の子供たち
「おー!」







B-907









ヴァルキオン連合報酬担当官ロミナ
「大体終わったし、
 そろそろ時間ね…

 ご家族に心配させても何だし…」




B-908












?樽
「うむ、ならば
 ワシが送り届けようか」



ヴァルキオン連合報酬担当官ロミナ
「助かるわ。
 それじゃお願いします」




B-909












?樽
「最後の戸締りを頼む」



?優しい声
「了解です」



ヴァルキオン連合報酬担当官ロミナ
「了解です」




B-912








?勝気な女の子
わたしは
 さいごまでてつだうわ!!



ヴァルキオン連合報酬担当官ロミナ
「あら、ありがとう。
 それじゃ、その紙を………










B-913








ヴァルキオン連合報酬担当官ロミナ
「うーん、
 ボトル糊がなくなっちゃったわ……」



?優しい声
アラビックヤマトならあったかな…」




B-894








ヴァルキオン連合報酬担当官ロミナ
でんぷん糊じゃないと……

 子供が
 間違って舐めたりしたら体に悪いし」




B-895







?勝気な女の子
このわたしが
 まちがってなめるだなんて
 そんなのあるわけないじゃない!



?優しい声
「…ほら、大丈夫だよ。
 ああ見えてしっかりしてる。

 そこまで子供じゃないさ




B-896







ヴァルキオン連合報酬担当官ロミナ
「……それもそうね。
 それじゃ、それにしましょうか




B-911







?優しい声
「わかった。倉庫見てくる。




B-889










?勝気な女の子
ついていってあげる!



?優しい声
「はは、ありがとう




B-914













?優しい声
「……ないなあ」


?勝気な女の子
もう!しっかりしてよね!
 はやくおわらせて
 トランプであそぶのー!!」



B-915













?優しい声
「ははは、そうだね。

 ………何にしても
 ないと飾りつけ終わらないし
 もう少し探してみよう」




B-916













?元気な女の子
おにーちゃん!
 おきゃくさんだよー



?優しい声
「あー……
 営業時間終わってるのになあ…



B-920








?勝気な女の子
ロミナがいるんだから
 まかせとけばいいの!!



B-917













?優しい声
「ま、そうしよっか



B-919










?優しい声
「お客さんはロミナに任せるよー




B-918













?元気な女の子
「うん、わ…かっ………ー…」



















B-921d










B-922a















B-921




















B-921a













プシュウウゥゥゥゥゥゥーーッ


B-923a













…試………
………波………ず


B-924














投与……値………


B-923b













……脳…規……リア。





B-928










?研究員A
「測定値クリア。」



B-929








?研究員A
「精神状態良好。

 異常なし。」



B-931






?研究員B
研究班長。
 被験対象の復帰を確認しました。

 最終確認お願いします




B-932b










B-933







?研究班長A
「………………」



?被験体
「………………」




B-934







?研究班長A
「………………」



?被験体
「………………」




B-932a








?研究班長A
「……比較精神被験体。

 聞こえているか?被験体。



?被験体
「………………」




B-935








?研究班長A
「被験体ID:Hiyoko_EL-[GD9802] 
 聞こえているならば反応せよ。」



Hiyoko_EL-[GD9802]
「………………」




B-936b








?研究班長A
「………………」



B-932a








?研究班長A
「………反応なし、か。
 もうこの被験体はダメか……」



B-933







Hiyoko_EL-[GD9802]
「…………ひよこ…



?研究班長A
「…………確認した。




B-928a










?研究員A
「了解、復帰確認完了認可。

 これより監視プロセスへ移行。




B-936b








Hiyoko_EL-[GD9802]
「………ひよこはどこ?」



?研究班長A
ひよこまんじゅうは明日届く。
 ごま蜜団子の方は
 衛生上断らせてもらうが。」




B-932a








Hiyoko_EL-[GD9802]
「………そう…」


?研究班長A
Hiyoko_EL-[GD9802]
 ここの管轄として
 搬送されてきた時は、
 一切の反応を示さなかった。

 精神療養施設では
 お手上げだったのだろう。

 しかし、
 ひよこまんじゅうを見た途端に
 反応を示したんだ。


 

B-935








?研究班長A
それは覚えているか?


Hiyoko_EL-[GD9802]
「………覚えてる




B-933







?研究班長A
はは、よろしい。

 ……さて、
 今日も強化プログラムに入るぞ。

 被験体ID:Hiyoko_EL-[GD9802] 
 君ならいずれ
 あらゆる端末操作に熟達するだろう。

 素晴らしい素質だよ。
 君のような逸材は近年類を見ない。




B-934







Hiyoko_EL-[GD9802]
「………………」



?研究班長A
Hiyoko_EL-[GD9802]。
 君には期待している。」




B-921a













Hiyoko_EL-[GD9802]
「………うん」











B-936b








?研究班長A
「……なるほど。
 素晴らしい能力だ。

 達成目標は山積みだが、
 君なら乗り越えられると
 期待しているよ。

 Hiyoko_EL-[GD9802]。



Hiyoko_EL-[GD9802]
「………うん」




B-932a








?研究班長A
「……しかし、
 ただ課題を課すだけでは
 Hiyoko_EL-[GD9802]
 つらかろうと思ってな……

 何か欲しいものはあるか?

 …ごま蜜団子は無理だが。



Hiyoko_EL-[GD9802]
「………………」




B-933







Hiyoko_EL-[GD9802]
「……………名前……




B-935








?研究班長A
「………名前?

 名前なら既にあるだろう。

 Hiyoko_EL-[GD9802]。
 これが君の名称だ。



Hiyoko_EL-[GD9802]
「…………違う。

 ……名前………欲しい。







B-933







?研究班長A
「ふむ………
 考えておこう。

 だが期待するな






B-981










?研究班長B
「あら……
 
 被験体如き
 おこがましくも
 名前を欲しがるなんて

 これはとんだ笑い話だわ




B-979













B-980a







?研究班長A
「……君は有能だが、
 少々、口が過ぎるのがたまに傷だな

 洗脳ばかりしていると
 そこまで精神が堕落するのかね…?



B-980












?研究班長A
「…洗脳研究班長レンシアよ。」




B-941













洗脳研究班長レンシア
「……では質問に質問で返しますがー

 …モノ風情に感傷する暇が
 ある方がどうかと思われますが?



B-937













洗脳研究班長レンシア
「…比較精神研究班長ネビン殿?




B-936a













比較精神研究班長ネビン
「………………」



洗脳研究班長レンシア
「ククッ………

 でもほんーっと……」



B-940









洗脳研究班長レンシア
ヤバいわよーこの子……

療養施設から、
なんの反応も示さないコイツが
急に送り付けられて来て
最初くっだらない粗大生ゴミ
送りつけてきてーだなんて
思っちゃってたけどさ!

実はこの人形
脳の自衛抵抗がぶっ壊れちゃってて
もしかしたらあらゆる強化法の
その特性を吸収できる可能性が
非常に高い逸材だー、って!

こーんな面白いオモチャ
遊ばない手はないわよネー!!




B-943







洗脳研究班長レンシア
「………ゾックゾクしちゃう…






B-982














B-980a







比較精神研究班長ネビン
「……………下品なやつめ














B-979







比較精神研究班長ネビン
素晴らしい伸びだな……
 しかもこのキャパシティは……」



?研究員A
従来の被験体のうち
 最高値を弾き出したあの
 "Jessica07_HM-[T8370]"や、

 それを下回るものの
 準拠する値の
 "Quess_HE-[NZ333]"

 ならびに特異型ですが
 "StealthMO_HM-[TYK726]"

 およそ4倍です!!



B-928a










?研究員A
「しかもこれは
 Hiyoko_EL-[GD9802]
 現在値での比較……
 
 そしてこの安定度と潜在値。
 その力は計り知れません……」


?研究員B
"Jessica07_HM-[T8370]"
 精神面も人格面も能力面も
 比較的安定していました。

 ですが、
 それは感性に特化されたもので
 理論だてた能力の行使において
 "Jessica07_HM-[T8370]"
 無能力という側面もあり…



B-931






?研究員B
「しかし、
 Hiyoko_EL-[GD9802]
 その論理性が素晴らしい。

 これは、
 あらゆる端末操作や
 言語解析と超入力等……

 いわゆる
 『なんとなくわかる』ではなく
 確固たる理論として
 あらゆるものを理解する。

 そんな能力ともいえます。」



B-996





?研究員B
「更に際立つのが
 人格面での安定。

 "Hiyoko_EL-[GD9802]"
 自我が失われているはずなのに…



比較精神研究班長ネビン
自我のない人間、か……」




B-995







?研究員B
「そうですね……」



B-993






?研究員A
「通常、自我を持たない者
 その人格の根幹を失う為に
 自我崩壊しその生命活動を損失、

 生物としての
 生存すら難いはずですが……」


?研究員B
「仮に自我があるとすれば
 この強化法の吸収率や
 一面性の性質そのものが
 説明つきません……

 元々の才能によるものなのか…



B-993a






?研究員A
「いやしかし才能面の方
 取るに足らぬものでした。

 能力のキャパシティ
 この強化法に伴って
 脈絡なく急激に増幅している…

 今までの被験体の例には
 およそ該当しませんね…

 

比較精神研究班長ネビン
「………………」





B-981










比較精神研究班長ネビン
「引き続き監視を続けてくれ」


 










B-936









比較精神研究班長ネビン
Hiyoko_EL-[GD9802]。
 調子はどうだ?」



Hiyoko_EL-[GD9802]
「…………うん…」




B-934a










比較精神研究班長ネビン
「……それなら良い」



B-938











比較精神研究班長ネビン
「……Hiyoko_EL-[GD9802]。
 今日はこんなものを持ってきた。



B-923a













比較精神研究班長ネビン
トランプというものだ。」



B-932











比較精神研究班長ネビン
「……遊んでみないか?」



Hiyoko_EL-[GD9802]
「……トランプ…………」





B-932a








Hiyoko_EL-[GD9802]
「………うん…」














B-935a










比較精神研究班長ネビン
ひよこまんじゅう………

 ……好きなんだな?

 うまそうに食っている」



Hiyoko_EL-[GD9802]
「………うん……」




B-934a










比較精神研究班長ネビン
「……そうか」



B-980b












B-981a





比較精神研究班長ネビン
「……好きだったんだろうな。



Hiyoko_EL-[GD9802]
「………………」




B-997










比較精神研究班長ネビン
「…………昔も。



Hiyoko_EL-[GD9802]
「………………」



B-921c












Hiyoko_EL-[GD9802]
「…………わからない…」













B-936









比較精神研究班長ネビン
「……何かあったか?」


Hiyoko_EL-[GD9802]
「………わからない…」




B-938











比較精神研究班長ネビン
「ふむ……
 元気が無いように見えたのでな

 体調が優れないというなら
 遠慮なく言ってくれ。」



Hiyoko_EL-[GD9802]
「………………」




B-933a










比較精神研究班長ネビン
「………………」



B-982








比較精神研究班長ネビン
「………では、また」



Hiyoko_EL-[GD9802]
「……そと…………」




B-932











比較精神研究班長ネビン
「…………!!






B-933b





Hiyoko_EL-[GD9802]
「……いきたい………」






B-938a





比較精神研究班長ネビン
「……外に、行きたいのか?






B-923c






Hiyoko_EL-[GD9802]
「………わからない……」














B-939












比較精神研究班長ネビン
素晴らしい………



Hiyoko_EL-[GD9802]
「………………」




B-938











比較精神研究班長ネビン
「……よくやったな。

 Hiyoko_EL-[GD9802]。
 君はようやく
 当初の期待値を超過した

 これからもまだまだ
 君の能力を………



B-932











比較精神研究班長ネビン
人類の能力の限界を
 ここに導き出す為に
 これからも引き続き
 頑張ってもらわねばならんが……



B-938a





比較精神研究班長ネビン
ひとまずはおめでとう。

 君は実に素晴らしい……



Hiyoko_EL-[GD9802]
「…………うん……」














B-935a










比較精神研究班長ネビン
「…うむ、この結果ならば
 生体名を許可してもいいだろう」



B-936b








比較精神研究班長ネビン
よく頑張ったな。

 君は明日から」


B-939












比較精神研究班長ネビン
"サラミア・エリーン"と名乗るが良い。

 正式に戸籍も取得してある。


 もしこの研究所を出る時が来るなら
 どこで名乗ろうと問題はないぞ



サラミア・エリーン
「……サラミア…………




B-933a










サラミア・エリーン
「私、サラミア………




B-932











比較精神研究班長ネビン
「そうだ。

 ようこそサラミア。



サラミア・エリーン
「………………

 …………ありが、とう……













B-980












比較精神研究班長ネビン
「………この数値は…!?



B-981










比較精神研究班長ネビン
「……………確かか?



?研究員A
「間違いありません。

 試行回数は確証に至る
 最大数を実行しました。」




B-979







比較精神研究班長ネビン
「………………」



?研究員B
「………さすがに…




B-949










洗脳研究班長レンシア
やっぱりねー!
 思ったとーりだわぁ!!







B-947c












B-921c
















B-921a













比較精神研究班長ネビン
20倍…………だと」














B-982








比較精神研究班長ネビン
「突然だが、

 君はここから
 外に出る事になった。


サラミア・エリーン
「…………そと…?」




B-979







比較精神研究班長ネビン
ああ、そうだ。

 この研究所で
 君に出来る事はもうない。

 それに、君は前から
 外に出たいと言っていたろう?



サラミア・エリーン
「…………うん……」



B-982








サラミア・エリーン
「でも……………」





B-980












サラミア・エリーン
「…………なんで?







B-980a







比較精神研究班長ネビン
「………………」







B-980b






比較精神研究班長ネビン
理由は君に知る権利はないし
 こちらが開示する義務もない



B-979







比較精神研究班長ネビン
「大丈夫。
 何も怖い事はない。

 ただ、
 外に出る時に
 眠らないといけないんだ……


 眠って、目覚める……



B-983









比較精神研究班長ネビン
「……そう、
 今はただ眠るだけだよ




B-980a














B-980












サラミア・エリーン
「………………?」








B-980a








比較精神研究班長ネビン
「……………許せ…




B-983









洗脳研究班長レンシア
アハハハ!

 何それー!
 所詮人形相手に
 一体なんの配慮ですかー!?
 



B-944








サラミア・エリーン
「…………人形…?




B-946






比較精神研究班長ネビン
レンシア!
 黙らないか!!




B-933







サラミア・エリーン
ネビン……
 私、人形………?




B-936









比較精神研究班長ネビン
「……………サラミア…




B-981










?研究員B 
「………ネビン班長!
 異常な数値がみられます…!




B-979







サラミア・エリーン
(人形………)




B-980a







比較精神研究班長ネビン
レンシア!
 この子がどんな目にあって
 ここに来たのか!!

 それを思って
 貴様は何も思わんのか!!



B-942










比較精神研究班長ネビン
「……最後くらい…………

 …最後くらいは
 人間として在らせてやろうと
 思わんのかこの下衆が!!

 


B-940









洗脳研究班長レンシア
うっさいわねーーー………



B-942










洗脳研究班長レンシア
「………あのなー!!
 おめーらは人形なんだよ!

 都合よく作って
 都合よく捨てるだけの

 単なるお人形さーん♪



B-943







洗脳研究班長レンシア
「……人形は人形らしく
 黙っておとなしく
 解体されてろってーの!!




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…私は……………







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……………人形……?







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B-980v




















B-980d

















…私は………







B-980c













B-980e
















……私は…………………




B-980e








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B-923c















B-925

















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私は人形じゃない!!!



















……ここじゃない……………










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………違う……





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………違う…………







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サラミア・エリーン
「ここは……………?」



B-985
















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はああああううぅぅっ!?



B-986
















B-985
















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サラミア・エリーン
ヴェリ……カ………?








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B-890b




















B-988




















B-696bb









B-887v




















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サラミア・エリーン
「………ヴェリカ……






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B-990c














B-990d











B-992







ズシャァッ







B-992c










B-992d









B-992e


ミー…シャ……?







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?精悍なアーマン
「あ、気がついたんだね!

 よかっ

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 たどおおぅえぇっ!?!?



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ドンガラガッシャーン





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サラミア・エリーン
「………………」



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?精悍なアーマン
あいたたたたー



サラミア・エリーン
「…………大丈夫?」




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?精悍なアーマン
「だーいじょうぶ!
 だいじょうぶ!!

 いやー、
 おっちょこちょいでさー

 患者に心配されてちゃ
 世話ないねーまったく!ハハッ



サラミア・エリーン
患者………?

 あ、そっか私………




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?精悍なアーマン
いやー、
 ヴェリカ北部近郊
 アンタを発見した時にゃー、
 もーくたばってっかと思ったよー

 まじ心配したんだぞー?



B-960













衛生兵スケイラ 
「あ、アタイは
 衛生兵スケイラ!

 輸送任務の随伴兵として
 くっついてたんだけどねー

 まー、傷の治療ぐらいしか
 取りえないもんで……



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衛生兵スケイラ
「他にやらされる事もないアタイは、
 こーして看病にまわされてる、ってワケ

 こんなカンジでわかるかなー?



サラミア・エリーン
「………うん




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衛生兵スケイラ
「んじゃあ、そんなカンジ
 完治するまでヨロシッ

B-961a









ックッってええんんぬえええああああんらあぁー!?!?



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ズッテンコロリーン


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サラミア・エリーン
「………………」











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衛生兵スケイラ
「………ねえねえ!

 なーんであんなトコで
 ぶっ倒れてたん?

 今の時代、
 行き倒れなんて珍しいよー?



サラミア・エリーン
「…………わかんない…




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衛生兵スケイラ
「そっかー
 ま、ゆっくりしてきなよ。

 全額ヴェリカ負担だからさー」



サラミア・エリーン
「………ありがとう…











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衛生兵スケイラ
「…え?
 ヴェリカで働きたい?

 まー完治そろそろだけどー


 そうだなー……

 職探しなら、
 まず適性試験を受けてもらわないと
 どうにもならないよー」



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衛生兵スケイラ
「それで、アタイみたいに

 頭悪くて能力も低いってカンジだけど、
 体力だけは自慢っていうガテン系は、

 頭使わなくていいけど
 ひたすら付きっ切りで
 機材運搬などの肉体労働もある
 看護にまわされる事は
 結構あるっぽいけど、

 それも能力と運次第だからねー



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衛生兵スケイラ
サラミアは、
 何か得意な事ってあるんかい?



サラミア・エリーン
得意なこと………



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サラミア・エリーン
わからない………



衛生兵スケイラ
「ま、それも試験
 あらゆる能力が
 数値化されるみたいだから、
 能力が高ければ高いほど、
 就ける職の選択は増えるってカンジ」



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衛生兵スケイラ
「まー、アタイみたいな
 なーんも取りえないのは



サラミア・エリーン
「……そんな事ない



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サラミア・エリーン
「…スケイラが居ると
 なんだか楽しいもの……



衛生兵スケイラ
え………




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衛生兵スケイラ
あははー………

 そんな事言われたの初めてだー! 」



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衛生兵スケイラ
サラミア!ありがとー!!

 ちょっと自信ついた!!







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むぎゅうー



       むぎゅー


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サラミア・エリーン
「……い………痛い………














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衛生兵スケイラ
「……サラミアさ。 

 ……あのー………
 なんつーか、

 …サラミアの事で
 誰か話してたからさー……
 こっそり聞いてたらなんか………



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衛生兵スケイラ
「実はサラミアって
 特級庇護対象みたいなんだよ。」



B-974












衛生兵スケイラ
「……一体何があったんだ?



サラミア・エリーン
「………………」






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衛生兵スケイラ
「あー………ごめんなー…
 アタイってほんっと無神経…



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衛生兵スケイラ
「……でもさ、
 よっぽどの事がない限り
 特級庇護対象になんてならないしさー

 こうやって知り合ったわけだし
 心配になっちゃうんだよ……

 …それと、
 特級庇護対象に認定されると
 中の上流ぐらいの給与に
 匹敵する金額が毎月支給され、
 住居も生活必需品も無償で付与!

 贅沢しなけりゃ遊んで暮らせるんだ!



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衛生兵スケイラ
「ま、何があったか知らないけど
 アタイは別にサラミア
 どこの誰で何してきたヤツだろうと
 そんなん関係ないからさ!

 ゆっくり休んでってなー!



サラミア・エリーン
「………ありがとう…















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衛生兵スケイラ
サラミアー!!
 アンタこの適正結果すごいぞー!?

 肉体労働以外どこでもいける!!

 特に端末操作分野
 仮想言語分野!!!

 他にもなんかよくわかんないけど
 凄そうなのも超評価!すっげー……

 こんなん見た事ないぞー!?



サラミア・エリーン
「………………」




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衛生兵スケイラ
「でもさー……

 働かなくてもいいのに
 わざわざ働くのかー?
 趣味に生きられるんだぜー?

 小銭稼ぎなら
 いつだって出来る都市なんだし
 何も定職に就かなくても……




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サラミア・エリーン
「………でも働きたい…




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衛生兵スケイラ
「……そっかー

 で、サラミアは一体
 どこで働きたいの?




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サラミア・エリーン
「………………」



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B-974a






サラミア・エリーン
「………ここ……



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衛生兵スケイラ
「えーどこどこー!?












ここにしたい…………















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