アスミン
「ケロンさん
こんにちはなのです~」
倉庫管理人・ケロン
「いらっしゃぁい!
みんなの命がけの冒険を
応援するよぉ~
涙と汗の結晶を
大切にするよぉ~」
倉庫管理人・ケロン
「ケロン倉庫は
みんなの頑張りを
応援する倉庫だよぉ~!」
冒険者A
「あら~
それじゃお願いしようかな~」
倉庫管理人・ケロン
「そこの君は
持ち物いっぱいだったり
しないかぁ~い?」
冒険者B
「う~ん
預けてみよっかな~?」
アスミン
「うあー」
お嬢ちゃん!
お嬢ちゃん!
アスミン
「なのです~?」
倉庫ガイド・マーク
「いやー
凄かったぜ~…
今日、
開店準備してたらよ~…
ポーッポ言ってふにゃけてる
あの神官がなぁ……」
雑貨商人・コヘン
「おもむろにケロンに歩いて行って
いきなり胸ぐら掴んでな……」
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休息の神官・ハイニュー
「ケロン。話がある。」
倉庫管理人・ケロン
「なぁんだぁ~い?
安心安全すぎる
ケロンの倉庫に預けたくなっ」
バキィッ!
倉庫管理人・ケロン
「兄貴何するんだっぽー!!!!」
休息の神官・ハイニュー
「いい加減目を覚ませッ!!
今まで見ただろ!?
誰もケロンの倉庫になんか
預けたくないっつってんだよッ!!」
休息の神官・ハイニュー
「喋り方が怪しい!
一言も二言も多い!
相手の気持ちなんか
何も考えてないッ!!
そんな倉庫に誰が預けるッ!?」
倉庫管理人・ケロン
「………」
休息の神官・ハイニュー
「いい加減気づけよ!
気づいてくれよ
バカ野郎ッ!!」
倉庫管理人・ケロン
「でもおいら
頑張ってるんだよぉっ!!
でも、
頑張れば頑張るほど
みんなおいらの前から
居なくなっちゃうんだぁっ!!
どうすればいいか
わかんないんだよぉーっ!!」
バキィッ
休息の神官・ハイニュー
「甘ったれてんじゃねえッ!!
おまえは今まで
考えた気になってただけだ!
やった気になってただけだ!
頑張った気に
なってただけなんだよッ!
自分自身と
本気で向き合おうと
してないんだよッ!!」
倉庫管理人・ケロン
「それ言うなら
兄貴だっておいらの事なんか」
休息の神官・ハイニュー
「ああそうだッ!!」
!!!
休息の神官・ハイニュー
「…兄ちゃんも逃げてた。
…ケロン。
おまえが自分一人で
何も出来なくなったのも、
おまえが他人の気持ちも
わからなくなってしまったのも
全部兄ちゃんが悪かったんだ…」
休息の神官・ハイニュー
「なんでも
兄ちゃんがやってあげてた。
おまえが自分から
何かやろうと思った事でも
なんでもかんでも兄ちゃんが
やってあげてしまった…
…ケロンは
何もしなくていいからね。
ってな…」
休息の神官・ハイニュー
「年の離れた弟で、
やっと兄ちゃんにも
弟が出来た!って
嬉しくて嬉しくって、
つい
甘やかしてしまったようだ…」
倉庫管理人・ケロン
「…………」
休息の神官・ハイニュー
「何年前だったかな…
父上が亡くなってから
おまえは
部屋に篭るようになったな。」
倉庫管理人・ケロン
「……うん。」
休息の神官・ハイニュー
「どう
声をかけてやるべきか
わからなかった。
それからしばらくして
おまえが倉庫管理人をやると
家を出る事になったけど…
兄ちゃん見ちまったんだよ。」
休息の神官・ハイニュー
「おまえ日記つけてたろ?」
!!!!
休息の神官・ハイニュー
「………そこには
色々な事が書かれてたが、
兄ちゃんは
この一文に
胸が締めつけられた。」
倉庫管理人・ケロン
「…………」
休息の神官・ハイニュー
「兄貴は、おいらが何やっても
何もしないで
兄ちゃんに任せろとしか言わない!
おいらは確かに何も出来ないよ。
何かしようとすると、
いつも兄ちゃんがやっちゃうんだ。
まるで
おまえは
何も出来ないんだから
やる気なんて捨てて
諦めろ
って言いたそうに。
ってな。」
倉庫管理人・ケロン
「…………」
倉庫管理人・ケロン
「兄貴はなんでも出来るし凄いよ。
父上の力を
一番強く受け継いでて
一族に伝わるスキルを
正式に継承したもんな。」
倉庫管理人・ケロン
「兄ちゃんは凄いよ……
おいらじゃ
何やってもダメなんだ…」
休息の神官・ハイニュー
「兄ちゃんが悪いんだよッ!!」
!?
休息の神官・ハイニュー
「兄ちゃんがおまえのやる気の芽を
すべて摘み取ってしまってた…
何も頑張らせてこなかったから
何も出来ないポポリのまま
成長してしまった…
あの日記を読んで
おまえが
こんなになってしまった原因が
すべて兄ちゃんにある…
ってわかったら
もう何をしたらいいか
わからなくなったんだ…」
休息の神官・ハイニュー
「……きっと、
おまえの間違いを正す事や、
おまえが間違っている事を
兄ちゃんが指摘する事自体が、
同時に、
兄ちゃんの間違いを
証明する事になる……と。
…兄ちゃんは
それに気づいてた。
気づいていたからこそ、
今までおまえと本気で
向き合う事が出来なかった。」
倉庫管理人・ケロン
「兄貴……」
休息の神官・ハイニュー
「許してくれ…
本当に、ごめん…」
倉庫管理人・ケロン
「兄貴ーっ!!」
休息の神官・ハイニュー
「ケローンッ!!」
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アスミン
「うあー」
雑貨商人・コヘン
「おおっと!
この事は誰にも言うなよ!」
アスミン
「なのです!」
<知識の護符:力上昇>を
20個預けました。
アスミン
「うあー
とっても
あずけたいのです~」
倉庫管理人・ケロン
「またくるんだよぉ~!」
アスミン
「ケロンさんが
すっごいのです!
とってもあずけたくなるのです~」
休息の神官・ハイニュー
「おおぉ~!
それはよかったぁ~!
誰かさんが
頑張ってくれたおかげかなぁ~?」
アスミン
「うあー
アスミン
とってもうれしいのです~」
君。
倉庫管理人・ポロン
「アスミン…といったね。」
アスミン
「なのです~」
倉庫管理人・ポロン
「………………
偉大なるあのお方からの
いくら返しても
返しきれない
恩義に
報いる機会に
気づかさせてくれて
本当にありがとう。」
アスミン
「うあー」
倉庫管理人・ポロン
「…君は不思議な子だな…」
アスミン
「あうー」
倉庫管理人・ポロン
「旅の無事を祈っているよ。
いつでも立ち寄ってくれ。」
アスミン
「ありがとなのです~」
うあー
うあー
倉庫管理人・ポロン
「…ハイデルタ様………
すみません…」
倉庫管理人・ポロン
「……一番…………」
倉庫管理人・ポロン
「…一番本気で
向き合ってなかったのは………」
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⇒アスミンと休業中なのです~
[Elincafe]投票
ほんとうにありがとなのです~
第三代ポポリア領主を目指すのです!