進行役・Ｂ沢
「こんばんは。
ザ・ゲーム批評
進行役のＢ沢です。
さて、
いよいよ正式サービスを
明日に控える事となりました…
大作ＭＭＯＲＰＧ
「The Exiled Realms of ARBOLEA」
今日は、
旧T.E.R.Aプロジェクトの
メインプログラマーとして活躍していた
枝岡さんにお越し頂いております。
今日はよろしくお願いします。」
枝岡
「よろしくお願いします。」
進行役・Ｂ沢
「枝岡さんが
メインプログラマーとなった経緯は
『ネットゲーム好きが高じて』
というのがきっかけと聞いていますが
本当でしょうか？」
枝岡
「ええ、本当です。
私はかなりのハードゲーマーですよ。
ネトゲ用語で言うところの
『廃人』ですね（笑）」
進行役・Ｂ沢
「『廃人』ですか（笑）
それなら
よいお話が聞けそうです。
さて、
ザ・ゲーム批評では
毎回あるお題をもとに
進行していきます。」
進行役・Ｂ沢
「今日のお題は
『ＰＳ』についてです」
進行役・Ｂ沢
「念を押しますが、
某・ソなんとかの
製品ではございません（笑）」
枝岡
「そうですね（笑）」
進行役・Ｂ沢
「プレイヤースキルの略語で、
主にプレイヤーの『腕前』を
指し示す用語です。」
枝岡
「……ところで、
Ｂ沢さんの考える
『ＰＳ』ってなんですか？」
進行役・Ｂ沢
「え？俺ですか（笑）
そんなの台本にｎ
………うえっほんげほげほ。
えー、っとですね
どこかのサイトで攻略情報見て
いろんなブログで攻略情報見て
いろんな動画で攻略情報見て
使える操作パターン覚えて
何度も挑戦して練習して
そうやって攻略できるようになれた
そんな状態ですかねえ」
枝岡
「なるほど。
しかし
私はそうは思わないんですよ。」
進行役・Ｂ沢
「へ？」
枝岡
「…今、
『攻略』と仰いましたが
Ｂ沢さんが今仰いました『ＰＳ』は
それはあくまで
『真のＰＳ』を元に開拓した
『結果』であり
『手段』に過ぎないという事です」
進行役・Ｂ沢
「？
ちょっとよくわからないんですが…」
枝岡
「例えば、
Ａダンジョンを攻略するとしましょう。
Ａダンジョンには
様々なギミックと、ザコ配置、
中ボス、大ボスが存在します。
様々なギミックは
その性質と立ち回り方を『覚える』
ザコ配置は、
倒さなくてもいいザコは避ける
これも『覚える』だけです。
倒すのも効率よく倒す為の
クールタイムを加味した
スキル使用の順番
装備を強くする
補助効果も適正なものを揃える
色々在りますが、
これらもすべて単に
『覚える』だけです。
もっと言うなら
『知って』適用するだけです。
単なる『知識』です。」
枝岡
「あと中ボス、大ボスですが
いやらしい攻撃、状態異常、
即死攻撃、などなど色々ありますが
所詮これらも『覚える』に過ぎません。
所為パターンゲームです。
『覚えゲー』です。
いやらしい状態異常も
装備を適正なものにすれば
なんら問題ないわけです。
【△△のあとに□□】
ただそれを『覚える』だけです。
あとはそこにいないか
適切な回避行動を行うか
特定のアイテムを使用するか
ただそれだけの事です。
つまり『知識』です。」
枝岡
「こんなのを『ＰＳ』と表現するのは
『ＰＳ』に対して失礼ですよ。」
進行役・Ｂ沢
「さすが『廃人』（笑）
言うことが違いますね（笑）」
枝岡
「その為に呼んだのでは？（笑）」
進行役・Ｂ沢
「まあそうなんですけど（笑）」
進行役・Ｂ沢
「……では、
『真のＰＳ』ってなんでしょうか？」
枝岡
「ええ、お答えしましょう。
『真のＰＳ』とは、
『攻略』自体でもありませんし、
攻略の『手段』でもありません。
『手段』を
『実行』『開発』する為に必要な
『肉体的素養』のことです。」
枝岡
「人間の反応速度は、
どれだけ超人的反応をしたとしても
最低０．２秒かかると言われています。
これは、
神経伝達の問題で
生体的、物理的な限界なんですね。
いわば『世界の理』です。
普通の人間の反応速度は
最高でもせいぜい０．５秒ほどでしょう
平均で０．７秒ほどと推定します。
これは、
実際に操作に反映するまでの時間です。
ですので、
私がもしＭＭＯを作るのでしたら
平均０．７秒の反応を求められ、
適切な行動を実行し、
３回連続でそれを成功しないと
『即死』するという
ギミックを設けます。
これを毎回クリアできるのであれば
私は『ＰＳ』と位置づけますが…
現実はとんでもない。
……『前兆』が見えてから
３～５秒も余裕がある。
しかも単発です。
つまり単に
『覚える』だけのレベルです。
これをクリアできる事も
『ＰＳ』と表現する始末です。」
枝岡
「あと、これらもすべて
事前に『情報』を調べた結果です。
今の時代、『知る』事なんて
誰でも出来ますからね。
昔は、
その『知る』為に
人脈を広げたり、
雑誌を買いあさったり
開発者の知り合いを
作ったりとしました。
それでも手に入らない『情報』は
『自力解析』しかなかった。」
枝岡
「ゆえに、
『情報』が出回ってない
リリース初期の頃、
今で言う『攻略法』という『知識』は
実際にプレイして、
ゲームに点在する『情報』から
どれだけの『価値』を読み取れるか？
どれだけの『発想』が可能か？
『読みとれない人』からしたら
単なる『画面のグラフィック』ですし、
なにげない要素ひとつひとつに
『価値』がわかるかどうかは、
その『先にある』組み合わせまで
『発想』できないと
『価値』もクソもありません。」
枝岡
「つまり、
『読み取る能力』
『価値に気づく能力』
『開発構築する能力』は
『１セット』ということになります。
これを
ＲＰＧのシステムになぞらえ
【後衛的ＰＳ】と私は呼んでいます
ゲームが出回ってまだ間もない時期は、
『これらの能力のないプレイヤー』は
『完全に置き去り』にされていました。
ただ
『普通にプレイ』して終わるだけです。
つまりこれも『ＰＳ』です。
現在、
インターネットの普及により
『攻略情報』は速やかに拡散され
情報の蔓延するこのネット世界で
『情報』をいかにいち早く掴めるか？
という時代になっています。
枝岡
「そして、
多くのプレイヤーが
『情報』を読み取り、
『価値』に気づき、
『開発構築』する能力を
求められない時代になりました。
そうなると、
これらの【後衛的ＰＳ】の意味は
大多数の一般プレイヤーからすれば
やがて忘れられていく事になります。」
枝岡
「『知識』なんて
獲得した瞬間から自身のモノです。
見つけるか
見つけないかの差なだけです。
知っているか
知ってないかだけの差です。
それはちょうど、
水泳で素晴らしい推進効率を得る
『スイムスーツ』を開発し、
いち早く導入し
使いこなした選手がいたとしたら
０．０１秒を争う僅差の世界ですから、
間違いなくトップをとれるでしょう。
しかし、
スイムスーツが普及し、
どの選手もその
スイムスーツを着用したとしたら
……どうでしょうか？
『知識』とは、
即ちそういう事なんです。
T.E.R.Aにおける古代神である
アルンとシャラ について語りますが、
この二人は、
実は神でも何でもなく
ただ『神器』の力を
使いこなせていただけの
単なる普通の人間でした。
いつしか、
この二人は神器を封印し、
普通の人間に戻ります。
つまり、
『知識』は
単なる『武器』に過ぎないのです。
それを『覚えた』だけで上がる効率は
誰もが獲得できる
普遍的な効率でしかありません。
なぜなら、
『武器』を手に入れただけで
獲得できる効率なのですから。
…言ってる意味わかります？（笑）」
進行役・Ｂ沢
「ばかにしないでくださいよ（笑）
ただそんな考えで
やってませんでしたね…
目から鱗です」
枝岡
「……ですから、
誰もが『知識』を得ていて
予めどこかにある『知識』を
いかに知っているか？を重要視する
スタイルが『普遍化』すれば
『知識』自体が『ＰＳ』とするのもまた
致し方ない部分とも言えますけどね。
誰でもできる程度のレベルの内容。
そして、
誰でもできる程度のレベルを覚える。
そんなゲームじゃないと
もう誰もついてこれないんでしょうね。
運営も慈善事業じゃなく
あくまでも商売でやってますから。 」
進行役・Ｂ沢
「……つまり、
『顧客獲得』の為に
ライトユーザーでも
『攻略する気になれる』
『自分はＰＳがあると思える』
そんな
『ゲーム作り』をする必要がある。
そういうことですか？」
枝岡
「さすがです。
その通りです。
そうした共通認識が元になり
『ＰＳ』というものが
位置づけられると
勘違いする人も
現れるわけですね。
セオリー通りしか
やれない人。
それについては後述します。
…それが『当たり前』になっても
やはり
『真のＰＳ』を持ち合わせる人は
一定の確率で存在し、
そういう方たちは
素晴らしい効率をあげますし、
『真のＰＳ』を
持ち合わせる
そんなプレイヤー間で
攻略を開発し、
より
高次のプレイを追求し
より
高次の効率を
獲得する楽しみ方も
今でも
一部のプレイヤー間で
行われている事は
私としても
とても喜ばしい事です。
進行役・Ｂ沢
「枝岡さんありがとうございます。
えー、
ここでいったんＣＭです。」
NEXT
⇒続・あるラジオ番組にて
[Elincafe]投票
ほんとうにありがとなのです～
ポポリア領主になってＮＰＣ全開放！
